激動の30年でセックスの悩みはどう変化したか|カウンセラーに聞く#大人こそ知りたい性のこと

 激動の30年でセックスの悩みはどう変化したか|カウンセラーに聞く#大人こそ知りたい性のこと
Photo by Maru Lombardo on Unsplash
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セックスせずに、子供が欲しい!?

「草食系って言うのでしょうか。今はセックスに、重きを置かないカップルもいるということです。それは双方が納得していれば問題ないのですが、年齢とともに夫婦間の考えも変化するものでしょ? いざ『子供が欲しい』となった時、妊娠・出産に焦って、やっとのことでカウンセリング室にいらっしゃる方々もいます。その中には、健康体なのに『挿入はしたくない(あるいはできない)けど、子供が欲しい』と言う方も。昔はとても珍しかったですが、今では、多くの不妊治療専門クリニックに同じような相談がきていますね」と金子先生。

そんなにセックスを拒むなら、結婚前に告げるのがルールのようにも思えますが、本人たちも気がついてなかったり、夫婦間でもそれをしっかり話し合えないのが、セックス問題の見えない深さ。金子先生は、さらに驚くことを教えてくれました。

「女性側に『挿入障害』のある方がいました。挿入障害とは、肉体的な疾患ではなく、メンタルの疾患です。結婚後しばらく経っても挿入できないので、痺れを切らした旦那様と一緒にカウンセリングにいらしたのですが、妻側の言い分は『私は変わらない、挿入しない私を受け入れてください!』と、だけ。変わることを頑なに拒み続けていました。セックスは、人生の見え方を変えてくれるので、とても残念でしたが……(金子先生)

女性が性の悩みを告白できる時代へ

今までのお話を伺うと、セックス嫌いになっている、あるいは性に対して淡白な女性が増えているように感じられるのですが...

「いいえ、そうとは限りません。昔は、カウンセリングにいらっしゃる方は、ほとんどが男性。女性が来たとしても、夫の悩み相談(勃起障害、早漏など)で、『性の悩み=男の問題』とされていました。でも今は、女性が『自分の性の悩み』を相談にいらっしゃる。昔よりバランスがとても良くなったと思います」(金子先生)

「夫のために(本当は嫌だけれど)セックスする」のではなく、女性自身が人生をより豊かにするために「自分のためにセックスをする」と捉えるようになったこと。この女性たちのセックス観は、とても大きな変化であるように感じられます。

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Text by Yuki Ikeda



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