自分を「恐怖」から解放しよう|椅子とマットで行う6つのポーズ

 自分を「恐怖」から解放しよう|椅子とマットで行う6つのポーズ
Natalie Faye

恐怖と正面から向き合ってみよう。ヨガティーチャーのジヴァナ・ヘイマンが提案するこのヨガシークエンスは、内なる戦士を呼び覚ましてくれるだろう。

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「恐怖心」はストレスと憔悴をもたらす

何か悪いことが起きそうで、気がつくと歯を食いしばっていることはないだろうか? 不安に襲われて目覚めることは? それがほんのわずかな兆しでも、パニック発作を起こすほどの強烈な予感であっても、どちらもたどっていくとある感情に行き着く。それは人生から喜びを奪い、私たちを脅かして絶え間ない不安に陥れる「恐怖」だ。

私の人生で特に恐ろしかった瞬間がある。それは母に自分がゲイであると告げた時だ。当時私は17歳でどうすべきかわからずにいた。気づいたら秘密を抱えながら生きていて、それを母に言えずにいた。だが真実を打ち明けることで私は恐怖に打ち勝った。また、どれだけ自分の人生が恐怖に支配されていたかがわかった。

私たちのようなマイノリティは、自分を抑圧しがちだ。そしてそれが恐怖の源になる。当時の私は、自分が人と違うために社会から疎外され、ゴミのように放り出されることを恐れていた。特に母を失望させることが怖かった。私の自尊心は彼女が自分をどう思うかによって左右されていた。

母にカミングアウトした後でさえも、ヨガの練習を始めるまでは自分が常に恐怖に支配されているとわからなかった。いつパニックが起きてもおかしくない状態だったのに。それに気づけたきっかけはシャヴァーサナ(亡骸のポーズ)だ。アルコールや薬の力を借りずにあれほど心が静まったのは初めてだった。一気に眠りに落ちたときのようにびくっとして目が覚めたが、実際は眠っていなかった。それは私を守るために何年も張りつめていた神経が、ようやくその緊張を解いたことによる反応だった。常に緊張していたからこそ、酔ったゲイ嫌いの男から頭にビール瓶を投げつけられても素早くよけて命拾いできたわけだが、一方でその緊張によるストレスと不安は徐々に私を憔悴させていた。

ヨガで恐怖から解放

ヨガは癒しの場となり、私は体に潜んでいた緊張を解き放てるようになった。そして多くの人が同じような重荷を抱え、あごや首に不安を溜め込んでいると知り、90年代初めからHIVとエイズのコミュニティでヨガを教えるようになった。さらにヨガの練習には、私たちに忍び寄る恐怖を和らげる力があると気づいた。

苦しみの共有が救いにつながることもわかった。皆で唱える「オーム」は一人で唱えるよりも力強く心に響く。ヨガをコミュニティで練習するほうが、恐怖を克服しやすい。外見も動作も愛の形も異なる私たちは、互いに支え合い、強く抱きしめ合う必要がある。私は最初に教えたヨガコミュニティを母体として、アクセシブルヨガ(Accessible Yoga)を設立した。私のように、マイノリティのコミュニティにヨガの機会を提供するティーチャーたちのサポートが目的だ。

ヨガは心地よいストレッチやワークアウト以上のものだ。ヨガによってほかの人と同時につながることができる。自分の内側に意識を向けながら、あなたの存在も感じられるのだ。コミュニティにいるとき、私は恐怖を解放できる。支えられ、大事にされていると思えるからだ。私にとっての特別な場所で、居場所でもある。以降のページで紹介するシークエンスを通じて、あなたもそう思えるかもしれない。

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

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sequence by Jivana Heyman
photos by Natalie Faye
model by Carole“Kalyani”Baral Natalie Dunbar
translation by Sachiko Matsunami



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恐怖 ヨガ
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