起源は4500年前。黒魔術と言われた「ヨガ」の語源とルーツを振り返る

 起源は4500年前。黒魔術と言われた「ヨガ」の語源とルーツを振り返る
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ヨガの起源とこれまでの歴史について、宗教学者のエリック・デントンが教えてくれました。発祥は4500年前のインダス文明と言われる「ヨガ」に、一歩踏み込んで学びましょう!

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ヨガの語源は「戦車の装具」?

「ヨガ」という言葉は、古代アーリア語に属するサンスクリット語に由来している。サンスクリット語は英語と同様にインド・ヨーロッパ語族に属するため、この2つの言語には同じ語源をもつ言葉が多い。サンスクリット語の「ヨガ」は英語の「ヨーク(くびき)」と同源で、ともに「くびき」と「動物にくびきをかける」という意味の両方を持つ。

現存するサンスクリット語の最古の文献『リグヴェーダ』では、基本的には「雄牛を鋤に繋ぐこと」を意味するものの、「軍馬を戦車(二輪馬車)に繋ぐ」という意味で使われることが多かった。実際に、ヨガが戦車の装具全体を意味する記述も見つかっており、ヨガの概念は戦争と密接に関わっていた。

だが後期ヴェーダ時代になると、古代アーリア人の司祭による祈りの中で「心を神々に繋げる」というヨガの暗喩的な概念が初めて登場する。その後サンスクリット文学が花開くにつれ、ヨガは様々な意味を持つようになる。例えば、一体化する、混ざる、方策、戦略、呪文、まじない、などだ。

ヨガが瞑想や霊的な自己発見を意味するようになったのは、紀元前3世紀になってからだ。『カタ・ウパニシャッド』の著者は、本の中で戦車と、意志を手綱とする人生の目的地への道とを関連づけており、ここで霊的な修練としてのヨガの概念が生まれた。

※リグヴェーダ(紀元前1500年頃):「リグ」は「讃歌」、「ヴェーダ」は「知識」を意味している。古代インドの聖典であるヴェーダの1つ。
※カタ・ウパニシャッドサンスクリットで書かれたヴェーダの関連書物。

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by Eric Denton
Translation by Sachiko Matsunami



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