『スタンフォード式最高の睡眠』の著者に聞く「睡眠負債」予防のポイントは

 『スタンフォード式最高の睡眠』の著者に聞く「睡眠負債」予防のポイントは
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林ゆり
林ゆり
2019-11-04

良質な睡眠をとってリフレッシュしたいと思いながら、なかなかぐっすり眠れないと悩んでいる人が多くいます。睡眠不足だけでなく、睡眠負債という言葉も最近では当たり前のように耳にすることが増えました。世界的にも日本人の睡眠時間は短く、睡眠負債をためこみがち。そこで、世界的睡眠研究の第一人者であるスタンフォード大学の西野精治教授に、睡眠についてお話を伺いました。前編では、良質な睡眠のために睡眠負債をためない予防法をお伝えします。

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睡眠不足と睡眠負債の違いとは

睡眠不足とは、まさに睡眠が不足している状態。睡眠時間が短い場合なので、こちらはわかりやすいですね。最近、よく聞くようになった「睡眠負債」というのは、睡眠不足の状態が慢性化することにより、知らないうちに睡眠不足が溜まっている状態です。「睡眠負債とは、借金すると利子で膨れ上がるのと同じ。少しずつなので、負債がたまってしまうまで気づかないのです」と、西野教授。

週末だけ寝ても解消されない…返済にかかる期間とは

「自分は7時間寝ているから大丈夫」と思っていても、実際は不足している場合があります。それは、1990年代に行われた実証実験のケースで実証されています。健康と思われる8人の被験者に14時間ベッドで過ごすという実験を行ったところ、初日、2日目は13時間眠れましたが、1週間経過すると平均10時間、3週間経過すると平均8.2時間で増減がなくなりました。実験に入る前は、平均7.5時間睡眠をとっていたので、その人たちにとっては、慢性的に0.7時間(40分)睡眠不足だったということになります。忙しい現在人でも、少なくとも7時間は確保したいところ。生理的に体が必要とする時間は、個人差はありますが、8時間は1つの目安になりそうです。ちなみに、週末に多く寝ても睡眠負債は解消されません。40分の平日の睡眠負債を返済するのに、なんと3週間もかかるとか。平日に30分でも長く寝るよう心がけてください。1日の時間の使い方を考えて、8時間睡眠を目指したいですね。

世界的睡眠研究の第一人者に聞く!良質な睡眠のためにするべきこと【前編】
西野精治教授

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