アラフォーヨガ初心者!本田ゆうすけのインド修行記【芸術の秋、インドの秋編#29】
村人全員が…?!
10月を過ぎたインドは、雨季から乾季に移り変わり、少しだけ気温も下がります。日本のように四季はなくとも、強いて言うなら秋の到来。だからというわけではありませんが、10月のとある休日にメンバーと訪れたのが、通称‟芸術村”。合宿場所から車で30~40分ほどのところにある、ラグラジプールという場所です。この村の最大の特徴は、みな同じ職業で生計を立てているということ。村全体が、代々伝わる民族工芸や絵画を売って暮らしています。
村に一歩入ると、まずは客引きによる観光客争奪戦。金曜日の夜の大阪ミナミや東京の繁華街も顔負けの強引さ。「俺の家においでよ、見るだけでいいんだよ、すごくいい素材を使っているんだよ」「今から僕たちは友だちだ。君だけにトモダチ価格で売ってあげるよ。僕は日本人が大好きだからね、特別だよ」と、四方八方から声を掛けられ囲まれます。そもそもインドの客引き自体ガツガツしていますし、郊外にポツンとあるこの村、それほど観光客が頻繁に来るわけでもないため、貴重な収入源なのでしょう。
ずらっと左右に列を作る家々は、ぱっと見で50~60軒くらいはあるでしょうか。家はアトリエも店も兼ねていて、軒先で雑貨を並べていたり、土間のようなスペースでたくさんの絵を飾っていたりします。インドでは町のあちこちでも壁画を見かけますが、さすが芸術村の家にはどれも素敵な壁画が描かれています。画法・技法はほぼ一緒のため、売っているものも大体同じ。ただ、そんな中でも個人差が出てくるのが面白いところ。
「これは俺のじいちゃんが描いたやつで、こっちが俺のやつ。まだまだじいちゃんには敵わないよ」と、絵を比べて見せてくれます。確かにベテランのおじいちゃんが描いた絵は、精密そのもの。貝殻や灰などを使って装飾するそうで、聞けばほとんど一発本番で色を付けていったりするそう。若者が描いた絵は、ところどころで線がゆがんでいたり色がはみ出していたりします。でも裏を返せば、全てハンドメイドの一点もの。インドらしい独特の色彩感覚とタッチで作られた品々は、どれも味があって見ていて楽しい!インド滞在中、ここ芸術村で一番お金を使ってしまいました(^^;
どうやらカースト制が身分だけではなく職業にも影響するため、このような村もあったりするようです。自分で仕事を選べない不自由を訴えるのか、定められた職業を自身の果たすべき役割と捉えるのか。ここにも正解不正解はありませんが、インドの人々に共通するのは、不幸そうではないというところ。やらなければいけないから必死に客引きをするし、駄目だとなればあきらめる。切り替えの早さも見習いたいところです。
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