五感で楽しむ秋の過ごし方|健康に暮らすためのアーユルヴェーダの知恵とは

 五感で楽しむ秋の過ごし方|健康に暮らすためのアーユルヴェーダの知恵とは
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HIKARU
HIKARU
2019-10-10

ヨガ講師でアーユルヴェーダカウンセラーとしても活動するHIKARU先生に、アーユルヴェーダの知恵を借りて、日々を心地よく過ごすヒントを教えていただきます。今回のテーマは「五感で楽しむ秋の過ごし方」について。

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五感で秋を楽しもう!

“芸術の秋”と言われるように、感覚が冴え、クリエイティブな気持ちにさせてくれる季節の到来です。

生命科学であるアーユルヴェーダでは、生活のリズムや食事の取り方だけでなく、5つの感覚器官を有意義に働かせることも健康を増進する大切な鍵を握っていると考えています。今回は、五感で秋を楽しむ方法をお伝えします。

季節の花や紅葉で喜ぶ感覚は、まずは視覚でしょう。日頃通り過ぎている近所にも少し意識を向けると、季節を楽しめる自然を見つけられるかもしれません。ちなみに私の自宅前には、大きなイチョウの街路樹があります。だんだん色づいて来る変化を見るのが、秋の外出時の一つの楽しみになっています。ただし、スマホやパソコンの画面を見続けるような現代生活の中では、視覚は最も酷使されている感覚とも言えることでしょう。通常起きている間には、あえて意識をしない限り、目を閉じるという行為はないそうです。仕事や家事で次の作業に取り掛かる前や、トイレ休憩の時、電車での移動時を利用して、そっと目を閉じます。日中に思い切って目を閉じ、視覚を休めてあげてください。たとえ1分程度でも、ホッと一息つけることでしょう。

自然を観察する時には、聴覚も同時に楽しませることができます。葉が擦れ合う音や落ち葉の上を歩く音、花から花へと蜜を探し求める昆虫達の羽音に意識を向けてみるのもおもしろい遊びです。イベントやコンサートに出かけて、お気に入りのアーティストの演奏をライブで堪能するのもいいですね。

疲労が溜まっている時には、聴覚が過敏になると言われているので、いつもは気にならないような音が耳障りに感じたり、どうも他人の言葉に振り回されるような時には、お風呂にゆっくり浸かってから早めにお休みになることおすすめします。

嗅覚は、いつも新しい刺激を求めている感覚です。たしかに秋らしさを一早く感じる時には、秋の空気を嗅ぎ取っている気がします。嗅覚は脳の中でも、本能や自律神経に関わりをもつ大脳辺縁系をダイレクトに刺激します。季節の花に好きな香りを探したり、紅葉や森林浴に出かけた時に、こっそりとナーディ・ショーダナ・プラーナヤーマなどの呼吸法を練習してみるのもいいですね。

味覚の秋と言われるように、バラエティーに富んだ食材を味わえる季節です。ぜひ他の感覚と共に旬の味わいを楽しんでみてください。買ってきたお惣菜でも、盛り付けを少し工夫したり、食材の持つ独特な香りや触感を楽しみながらの食事は、とても豊かな時間となることでしょう。五感を楽しませながらの食事は、美味しく、満足感をあたえますので、食べ過ぎを防ぐことにもつながります。

触覚は皮膚全体に広がり、一番広範囲です。秋は、最もオシャレを楽しめる季節。アーユルヴェーダでは着飾ることは気分が上がり、人生を豊かにし、周りの人のためにも良い印象を与えるので様々な場面で推奨されています。気温差があり、天候が不安定な時期ですから、触った時には少しひんやりとしながらも、肌に馴染みやすく、保温効果もあるシルクは秋にオススメの素材です。そして全身に広がる触覚に目を向けると、体調管理にもつながります。体調を崩す前触れは、五感に現れやすいとアーユルヴェーダでは言われています。ヨガのアーサナ(ポーズ)の練習をすると、いつものように力が入らない、関節が動きにくいなど、その日の調子をいち早く感じ取ることができます。太陽礼拝など全身を動かすポーズを数ラウンドでも良いので、自宅で毎日続けてみてください。

感覚器官をケアしながら、秋を満喫できますように!

ライター/HIKARU
アンダーザライト ヨガスクール リードトレーナー、全米ヨガアライアンスE-RYT500、YACEP認定講師、シヴァナンダヨガ正式指導者。アーユルヴェーダ・ヒーリングコンサルタント(日本アーユルヴェーダスクール認定)、Ayurvedic Medicine Practitioner(米国補完医療大学発行)など各資格を取得。AyuSya(アーユシュヤ)にて、ヨガとアーユルヴェーダの叡智を統合させたセルフケアの方法を提供する。著書に「やさしいヨガ」「はじめての楽しいヨガ」「はじめてのアーユルヴェーダ」「体の硬い人のヨガ入門」(主婦の友社)がある。

 

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