股関節の屈曲をスムーズに行うには|ためになる解剖学的知識

 股関節の屈曲をスムーズに行うには|ためになる解剖学的知識
Christopher Dougherty/Michele Graham

重力の影響を意識できるようになると、動きを深めて安全にポーズに入るためにどの筋肉を働かせてどの筋肉をゆるめるべきかわかるようになる。

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筋肉に作用する重力

私の上のふたりの子どもたちは、赤ちゃん用のハイチェアに座っていた頃、よくわざとそこから食べ物のかけらを落としていた。テーブルの端から1つずつ落としては、毎回大びして床に落ちていく様子を眺めているのだ。3人目の子がこの段階に達した頃には、さすがに私も見方を変えていた。いらいらしないで、この子は「重力の実験をしている」だけだと自分に言い聞かせることにした。するといつも笑顔でいられた。私たちはヨガを行いながら、重力そのものと重力がポーズに及ぼす影響の実験をしている。重力とその影響を相手に踊っていると言ってもよい。ポーズのとり方や指導のし方を理解しなければならないとしたら、各ポーズで働く筋肉と働かない筋肉を「重力がどうやって選んでいる」のか、そしてなぜそうなっているのか心得ている必要がある。それがまさに動きを巧みに操れるということであり、私が指導している体験的解剖学講座の目指す方向となっている。

動きを巧みに操る能力は、体がオーケストラで、動きはそれによって生み出される音楽であることを理解したうえに築かれる。動きの特性を見極め、感じ取り、理解できれば、自分自身のヨガが上達するだけでなく、生徒がもっと安全に取り組めるよう手助けできるようにもなる。生徒がポーズで悪戦苦闘しているときに痛みを取ってあげることさえできるかもしれない。

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

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by Judith Hanson Lasater
Photos by Christopher Dougherty
Model by Megan O’Donnell
Illustrations by Michele Graham
Translation by Setsuko Mori
yoga Journal日本版Vol.64掲載



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