脳と精神を健康にする食生活とは

AARON COLUSSI

脳と精神を健康にする食生活とは

SUNNY SEA GOLD
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2017-12-09

うつ病になるリスクを減らす!?

体の他の部分と同じように、脳も基本的に私たちが食べたものからできている。「生物学的には、感情は2つの神経細胞の摩擦から生まれます。そして、それらの神経細胞は食物の栄養分でできています」とラムシー博士。体は鉄とトリプトファンなしに気持ちを調整する神経伝達物質セロトニンを作ることができない。また、魚介類や牛肉、乳製品に含まれているビタミンB12なしには、脳細胞を絶縁する脂肪物質ミエリンを作ることもできない、と彼は指摘する。
高品質の燃料を入れると、体は頭からつま先までよく働くようになることは明らかになっている。しかし、それ以上に、食物がどのように精神状態に影響するかという非常に興味深い研究結果もある。たとえば、高脂肪で精製した砂糖を多く含む餌を与えたラットは、脳のニューロトロフィンと呼ばれる成長因子の数が減少する。研究者は、砂糖を好む人間にも同じことが起きているのではないかと指摘している。これの何が問題かというと、ニューロトロフィンは、記憶中枢である脳の一部、海馬の新しい脳細胞の成長を刺激するものだ、ということだとジャッカ博士は説明する。
また、うつの人の海馬はそうでない人よりも小さいが、病気が治ると再び成長しはじめることも分かっている。つまり、少なくともニューロトロフィンと海馬への影響についていえば、砂糖をあまり摂らない食生活は、うつを改善しうるということだ。
「脳はエネルギーとして莫大な量のブドウ糖(血糖)を燃やしています。そして、車がガソリンを燃やすと排気ガスが出るように、脳が燃料を燃やすときも、一種の燃えかす、フリーラジカルが出るのです」とラムシー博士。「時間とともに、このフリーラジカルは細胞にダメージを与える。それが酸化的ストレスになります」。ダメージが蓄積されると、脳細胞の機能が阻害されて感情に影響を及ぼす。脳細胞を信号が行き交い、感情や気分を生み出す。もし細胞が不健康だったり損傷を受けていたりすると、それが生み出す信号は混乱したり不規則になってしまう。すると最終的にはうつや不安障害になったりする。ビタミンC、Eやβカロテン、クエルセチンやアントシアニン(色の濃いベリー類に含まれる)のようなフラボノイド抗酸化物質は、酸化的ストレスを防いだり修復したりすることが分かっている。
また、食物の分子も、エピジェネティクスを通して我々の遺伝子に影響を及ぼす。たとえば、ダークチョコレートや特定の野菜に含まれているフラボノイド抗酸化物質やカキなどに含まれる亜鉛、オメガ3脂肪酸は、遺伝子の働きを変えることを示す研究もある、とラムシー博士は言う。つまり、うつ病に関連する遺伝子の素因を持っていても、食事によって、うつ病になる可能性を高めることもできれば減らすこともできるということだ。

Translated by Mami Larch
yoga Journal 2015年6/7月号掲載

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