脳と精神を健康にする食生活とは

AARON COLUSSI

脳と精神を健康にする食生活とは

SUNNY SEA GOLD
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2017-12-09

食べ物がメンタルヘルスに及ぼす影響

東洋医学の実践者や自然療法家は、数千年もの間、食生活を変えることを、精神的、肉体的な病気を改善する処方箋として提示してきた、と言うのは医学博士で内科医のエヴァ・セルハブ。ハーバード・メディカル・スクールの医療講師でもあり、マサチューセッツ総合病院で臨床医学の研究をしている。
最近ようやく西洋の科学もそこに追いついてきた。増えつつある研究結果が、食べ物が脳とメンタルヘルスに大きな影響を及ぼすことを示している。実際に、メンタルヘルス研究や処置の新しい視点である「栄養精神医学」という分野が生まれるほどに、正当な証拠が揃っているのだ。
「数十年もの間、精神医学の考えでは心と体は分離しているものでした。気分の落ち込みなどの精神医学的な病気は、心の中に存在するものであり、体内に取り込んだものとは無関係だったのです」と言うのはオーストラリアのメルボルンにあるディーキン医科大学の准教授で栄養精神医学の研究をしているフェリス・ジャッカ博士。「でも、ここ10年の研究で体と心の健康は全体の一部であり、切り離すことができないことがますます示されてきています」。
たとえば、数百人のオーストラリア人女性を対象にした研究では、フルーツや野菜、精製していない肉や穀物などのような自然食品を主に食べる人は、このような健康的な食事をとる頻度が少ない人よりも、うつや不安障害、双極性障害と診断される人が少ないことが分かった。後にノルウェイやアメリカでもより大規模な研究が行われたが、結果は同じだった。
ジャッカ博士によれば、精神的な病を抱えている人や気分が優れないと感じている人は、健康的でない食べ物、インスタント食品などを自然と好むようになるという事実があるが、この関係性についてはきちんとした説明はされていないという。動物実験では、食べ物を操作することによって、脳の構造と行動に大きな変化が見られた。ジャッカ博士らの研究者は、これがどのように人間にあてはまるかについて調査している。
これまでのところ、栄養精神医学ではうつのリスクと食べ物の関係性が分かってきているが、研究結果によれば食べ物は、不安障害や痴呆、統合失調症、注意欠陥障害にも関係している。「現在私が担当している患者には、完全な食事診断を行い、治療プランに食べ物の選択も加えることを試みています」と言うのは、ニューヨーク市にあるコロンビア大学の精神医学の臨床教授で『The Happiness Diet(幸せな食事)』の共著者、ドリュー・ラムシー医学博士。「ある若い男性患者がいました。彼はうつと不安障害にもがいていました。彼の食生活は、とても不規則で、食事を抜くことも多く、食べるのはほとんどが精製された穀物からの炭水化物で、野菜はほとんど食べませんでした」1年間の治療―これにはたっぷりの野菜、魚介類、素材をまるごと使ったスムージーを日々の食事に加える、というのも含まれている―の後「彼のうつは完全に消え、薬を必要としなくなったのです」とラムシー博士。「彼が私にこう言ったのを覚えています。もし正しい食事をしていなかったら、正しく感じることもできなかったでしょう」(もちろん、食事は治療プランの一部であり、医師の指示なしに薬をやめるべきではない)。

Translated by Mami Larch
yoga Journal 2015年6/7月号掲載

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