願望は手放すことで実現する?自己実現を叶えるヨガ的行動パターンとは

ANGIE CAO

「願いを叶える」ためにするべきヨガ式5つの行動

3.義務を果たす(タパス)

タパス
(Photo by ANGIE CAO)

自己を超えた心の奥底からの願いであっても、持続がチャレンジとなることもある。決意を維持し続けようとすると「時には意欲を失い、時には足取りが重くなる」ものだ、とロスは言う。こういった自分の消極的な傾向と闘うには、タパスが武器となる。これは、変化を起こす行為の中に大きな心地よさを感じようとするもので、大掛かりな雰囲気があるが、習慣にする、という控えめな形をとることもある。「習慣は、日々の生活をつくる目に見えない建築物なの」。『Better than Before: Mastering theHabits of Our Everyday Lives』の著者、グレッチェン・ルビンは言う。「習慣によって、自分との約束を守り続けることができるのよ」。新しい習慣を身につけるには多くの鍛錬が必要だ。というのも、それが習慣という勢いを得るまでには、一日ごとに、意志の力に頼って同じ決意を繰り返さなくてはいけないからだ。「決意が習慣に変わるということは、神経の消耗が激しい『すべきか、せざるべきか?』というプロセスを既に乗り越えた、という意味なの」とルビンは言う。彼女は、余計な苦労をせずに決意を持続させるために、行為をモニターする方法を見つけることを提案する。「人生において、何か価値のあるものを求めるのなら、その価値を測る方法も知るべきなのよ」。モリスの場合は、自分の義務を果たし続けるため、インサイト・タイマーというアプリを使用した。それは、チャイムの音によって瞑想をするよう知らせてくれるだけでなく、瞑想した時間数を記録してくれ(現時点で250時間の沈黙の時間が記録されている)、即座に世界規模の瞑想のコミュニティの一員になることもできた。
義務を果たし、決意をサポートする別の方法はあるだろうか? それには、友人やコミュニティに自分の志を明言することだ。モリスは、オンラインの仲間に自分が瞑想をしていることを宣言した。それは、彼女が破ることができないと感じる誓いであり、それゆえに今でも守り続けている。ミラーは、自分に対して宣言するだけでも同じような効果があると考える。「これは、他者との契約と同じようなものだけれど、自分自身に対して立てる真剣な誓いなんだ」ミラーは言う。こういう自分との取り決めは、言ったことを守り、約束を果たし、人生を熱意と目的を持って試み続ける場としたい、というあらゆる人の中にある本来的な気持ちに働きかけるのに役に立つ。

 

4.やり通す(アヴィヤーサ)

決意の先には忍耐があり、行く手を阻む消極的態度を明るみに出すきっかけとなる。「無意識のマインドと調和しない志には危険がともなう」とストライカーは言う。「ヴィカルパという、過去に経験した恐怖により、心地よさや安定感を求める行動パターンがある。これは、充実した人間関係を築こうと志しても傷つくことを恐れてつい内向的になり、真のつながりから離れてしまう、というような例をいう。そして志は、障害となっているものをつきとめるまで成就することはないんだ」。一方は消極的パターンと恐れを支持し、他方は究極的な幸福と充足感を養うという、二極化した願望はよく見られる、とストライカーは言う。「でも、一度古いパターンに気づけば、それに対処するパワーも出てくる」とストライカーは言う。「結局のところ、人生を生きるそのどんな瞬間も、サンカルパを大切にするか、あるいは自分の消極的な願望に従うかを選択する機会だと気づき、理解することが重要なんだ。人間関係を探し求める時には、充実した人間関係を願う気持ちを大切にすることも、愛する人に傷つけられるのを避けたいという思いに従うこともできるのだから」。
不安定な状態に陥りがちなこのプロセスを楽に進んでいくには、誤ったことを恥じ、あきらめてしまうのではなく、行く手を阻むものと向き合い、そこから学ぶことが助けとなる。別の言い方をすれば、朝、瞑想できなかった時には、自分を批判するのではなく、許すプラクティスをするということだ。そうすることによって、長期的成功の確率が上がることは、研究でも示されている。罪の意識がなくなれば、道から外れてしまった時にも、自分自身でそれを受け止め(責任をとり)、状況に対応してもとへ戻ろうという気持ちになれる。この「成長しよう」という心の有り様は、目標の達成へと続いているが、もう進歩はないと思い込む「固まった」心は、成功を妨げる。モリスは、3年間の「沈黙するプラクティス」の中で、休暇中に瞑想するのを忘れたことが一度、朝、飛行機に乗らなくてはならず、時間が取れなくてできなかったことが一度あった。それは誤ちではなく、彼女が人間だということであり、モリスはあきらめずに、やめたところから簡単にプラクティスを再開できたのだ。 

とはいえ、寛大な心で自分を許しても、まだうまくいかないようであれば、方針を変えるという許しを自らに与えてもかまわない。決意を自分にもっと合う内容に変えたり、願望をより的確に表す別の決意を探したりしてみよう。例えば、瞑想の1つの手法を試しても子育てのストレスが軽減しなかったら、アーサナ、早歩き、楽器の演奏など、それ以外の瞑想的要素を持つ手法を試してみるといい。「自分に効果がなかったり、目立った変化を起こさないような習慣に時間を費やさないように」ルビンは言う。同時に、設定した目標が意味のあるものに感じられるか、今自分が作り出している人生が好きかどうかも再評価してみるといいだろう。そうでないということならば、手放すステップへと戻り、始めからやり直そう。

 

5.思い描く(ダルシャン)

ゴールラインが見えてくると、前進せずにペースが落ちてしまうことがある。「もうすぐだから、少しゆっくりしても大丈夫」……。そういう時には、未来の自分を思い描き、それを勢いにしてその状況から脱しよう。このエクササイズは心理学で「展望記憶のコード化」と呼ばれている、脳をだまして既にゴールに達したと信じ込ませ、未来の自分に合った選択をするよう促すものだ。例えば、『Journal of sport & Psychology』に掲載された研究によると、食生活が乱れた怠惰な日々を送っている人が未来の自分を思い描いた場合、「元気ですらりとした姿」を望んでも、「怠惰な生活のつけが来ることを恐れる姿」をイメージしても、節度ある生活を送りながらも「未来の自分」を思い描かなかった人より、エクササイズを始める確率は高かったのだという。このプラクティスはモリスにも効果的だった。「自分自身と、沈黙するという目標に前向きな光を当ててイメージすることが、消極的な自己認識を乗り越える手段となったの」彼女は言う。「今では、クライアントに自分の著作やプロジェクトが既に世に出ている様子をイメージするようにと指導しているわ」。
将来の自分の姿を思い描くのが難しい場合にマクゴニガルがすすめるのは、未来の自分から現在の自分へと手紙を書くことだ。手紙は2017年1月1日の日付で書き、2016年を振り返って目標達成のために自分がしたことや、払った犠牲すべてに関して、自分自身にお礼を言うようにイメージしてみよう。そして必ず、どれもが努力に値するものだったと認めるようにしよう。
新年の決意が決して好きではなかったライター、エリザベス・マーグリンは、未来の自分に誇りを持てる、大きなサンカルパを持つつもりでいる。

 

ライター
ELIZABETH MARGLIN

 

 

 

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Prop styling by Leila Nichols
Hand lettering by Leigh Wells
Translated by Yuko Altwasser
yoga Journal日本版 2016/4/5月号掲載

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