タントラが人生とセックスの満足度を高める!仕事も恋愛も充実するタントラとは何か

タントラとは、サンスクリット語で「織る、または広がる」の意。タントラ教は、仏教やヒンドゥー教のシャクティ崇拝から起こった秘儀的な伝統のことである。誤解されやすい一面もあるが、タントラの本質は、人間のもつエネルギーをコントロールし、人生を前向きにとらえるパワーだ。パラヨガの創始者であり、ヨガ、タントラ、瞑想の米国における優れた指導者のひとりであるロッド・ストライカーに話を聞いた。
タントラ、そしてタントラのプラクティスとは何か
「タントラ」と聞いてよく思い浮かぶのは、プレッツェルのような性交体位のイメージだ。この性に倒錯した評判はおそらく、ミュージシャンのスティングが1990年頃に自身の7時間にわたるタントラセックスのセッションを大げさに自慢したときに生まれたものなのだろう。
タントラのプラクティスにセックスが含まれることがあるのは事実だが、実際のところそれは、突拍子もない評判からイメージされるようなものではなく、より深く親密な結びつきを経験するということであり、そのプラクティスはベッドルームの外へと持っていけるものでもある。事実、キャリアの階段を登る、よりよい人間関係を築く、一般的な喜びをもっと経験する、といった自分の目標が何であれ、タントラヨガの助けを借りることによって、人生のあらゆる面における相乗効果、明晰さ、自信などが育まれ、パワーを培うことができるのだ。
人生の質を高め、目標を達成するためのプラクティス
私たちの多くが慣れ親しんでいるヨガの起源は、タントラにある。ヨガへのタントラ的なアプローチの大きな特徴は、「パワー」「能力」を意味するシャクティという原理だ。タントラ哲学では、私たちの体内にないエネルギーは世界に存在せず、世界にないエネルギーは私たちの体内に存在しないと考える。
パラヨガの創始者であり、米国におけるヨガ、タントラ、瞑想の優れた指導者の一人であるロッド・ストライカーによれば、アーサナ、マントラ(マインドを守り導く気持ちと結ばれた音)、ムドラ(心を表す手のしぐさ)、バンダ(あご、腹部、会陰など、体のさまざまな場所のロック)、チャクラ(体内の根源的エネルギーの集まる7つの中心点)、呼吸といった、さまざまな方法を通して体内のエネルギーの抑制を身につけることにより、シャクティを体現することができるそうだ。それをしながら、どんな決定をすべきかを知る力、充足を見いだす力、もっとも高い次元に属する真実への気づき、マインドを向けたあらゆるものを達成する無限の意志の力、自発的な正しい行為などを含めたさまざまな力を育むのだ。別の言い方をすれば、タントラを通して、どんなときにも完全なものを感じ、正しい決定を行い、正しいときに正しい方法で行動することができるのだ。
「こういった力のたとえ一部分でも体現できれば、人生の質を高めるパワーが得られるんだ」とストライカーは言う。「タントラを学ぶ生徒は、目標を達成するためにプラクティスを用いている。彼らは人間関係を変え、キャリアで成功をおさめる。収入レベルは上がり、セックスの満足度も高くなるんだ」。
不安を払しょくし、自信が高まるのを実感する
ストライカーの古くからの生徒であり、ロサンゼルスを拠点にタントラを教えるトレイシー・スタンレーがタントラヨガを始めたのは、2001年のことだ。その数年後、彼女は裏切られて傷ついた心を癒すためにプラクティスを行った。「タントラは、障害をできるだけ早く乗り越える手段なの」とスタンレーは言う。「タントラの本質は、エネルギーを巧みに使うということ。それは、自分の内側にあるエネルギーの状態を探り、ためになる変化を生み出すツールを与えてくれるのよ」。
ストライカーは、ヨギがタントラヨガのアプローチとその効果を体験できるよう、あらゆるレベルに対応するシークエンスを構成してくれた。
これは能力、生命力、勇気、強さ、意志などが宿り、太陽神経叢のところに位置する第3チャクラのあるへその部分に火、エネルギー、パワーを生み出し、他のすべてのチャクラへと働きかけていくシークエンスだ。頭頂部の第7チャクラでは、エネルギーは完全に活気づく。
シークエンスは、完全なエネルギーの開花を経験する助けとなるムドラと瞑想とともに最高潮に達する。火や光の持つ変容をもたらす力を培うラームマントラと、タダカムドラ(これは「何もない湖床」と訳される)をシークエンス中の特定のタイミングで加えることによって、シャクティを目覚めさせることができる、とストライカーは言う。
「全般的に信念が強まり、恐怖が弱まるのを経験することができるんだ」と彼は言う。「不安感ではなく、人生のあらゆる側面において自信が高まるのが感じられる。タントラのプラクティスを行うと、こういったことが本当に起き始めるんだ」