「イギリスで、全く別の世界に飛び込む覚悟をした」フラワーアーティスト・前田有紀さんの生き方

 「イギリスで、全く別の世界に飛び込む覚悟をした」フラワーアーティスト・前田有紀さんの生き方
Photo by Yuuko Konagai
関早保子
関早保子
2018-11-10

自分の心の声に向き合うことは、簡単なようでいて難しい。「本当にやりたいことって何?」私たちは、自分の心の声を無視して、日々をサバイブすることに慣れている。だけど、そんなあなたは心の底から笑えているだろうか? 本連載ではインタビュー形式で、笑顔が素敵な女性たちの「笑顔のきっかけ」を探っていく。彼女たちにとって、笑顔にさせてくれるコトって何だろう? どうやってそれを見つけたのだろう? そして、それを始めたときの「はじめの一歩」って?

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移動花屋をオープンさせた、前田有紀さんインタビュー【わたしの、はじめの一歩】#14

連載14回目は、フラワーアーティスト・前田有紀さん。華やかなアナウンサーという職業を10年で辞め、突如フラワーアーティストとしての活動をスタートさせた。やわらかな印象とは裏腹に、自らの新たな人生を切り開く強さを持つ。そんな前田さんの笑顔のもととはー。

――フラワーアーティストとして、現在どんな活動をされているのでしょうか。
「今年の5月に会社を設立し、『もっとたくさんの人に花を知ってもらいたい』という想いから、移動花屋“gui(グイ)”をオープンさせたばかりです。独立する前に働いていた花屋さんで思ったのは、興味や用事がない人は花屋に来ないということ。こちらが一生懸命に花を揃えて待っていても、通りすぎていく人ばかり。もっと花や緑が都会の人の暮らしに身近になってほしいという願いから、移動花屋を始めました。例えばアパレルショップの軒先をお借りしながら、そのブランドとリンクさせたお花やブーケを売ったりなど、他の業界の方とコラボレーションしながら花屋を運営しています。他の世界と協力し合いながら、花の魅力を伝えていきたいと思っています」

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Photo by Yuuko Konagai

――花の世界に飛び込もうと思ったきっかけは、何だったのでしょうか。
「アナウンサー時代は会社のすぐ近くに住み、満員電車に乗りながらコンクリートばかりを見て、忙しく働いていました。自然が恋しくなり、ふと、部屋に一輪の花を飾ってみたんです。気持ちがホッとし、花の力を感じました。都会の中に花や緑がある意味を感じたんです。私はいつも分刻みで仕事をしていたので、花が美しく咲いているところから枯れていくまでの自然の移ろいを感じ、『こんなふうにゆっくりしたペースも良いのかな』と思いました。そうしてアナウンサーとして働いて5年、ゆっくりと自分探しを始めました。その頃にヨガも始めたんですよ。体を動かしたかったのもありますが、軸が自分に戻ってくるような感覚でやっていましたね」

――花の世界で働こうと思った時、まずどんな行動を起こしましたか?
「花にまつわる仕事には何があるのだろうと調べました。そうすると、キーワードで“イギリス”が、何度も出てきたんです。庭の本場だし、素敵なフローリストもたくさんありましたし。まずはやってみようと、イギリスに半年間留学することを決めました。ずっとアナウンサーとして働いてきたこともあり、自分を全く知らない人たちの中に身を置いてみたい、という想いもありましたね」

――イギリスでは具体的にどんなことをしていたのですか?
「コッツウォルズ地方にあるスードリー城という中世のお城でガーデナーチームに入れてもらい、研修生として庭師の仕事を一から教えてもらいました。薔薇の庭、ハーブの庭など、8つほどのとても大きな庭の手入れをしました。『今日はハーブの庭に水をやってきて!』『今日は薔薇の庭でメンテナンスしてきて!』なんて言われながら毎日忙しくしていました。働いていると、観光客の方によく話しかけられるんです。ハーブの種類や花の育て方を聞かれたり。自然に対する意識が高く、ガーデナーという職業がリスペクトされていることを感じましたね」

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

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Text by Sahoko Seki
Photos by Yuuko Konagai



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