米国不妊症事情「こどもが欲しい!でもできない!」ストレスが原因?

 米国不妊症事情「こどもが欲しい!でもできない!」ストレスが原因?
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不妊対策のための、より自然で効果的なアプローチとして、ヨガへの注目が高まっている。その理由を探った。

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電話の向こう側からの声が妊娠を告げ知らせたとき、彼らが感じた安心と喜びといったら、マリアとニールには思いもかけないものだった。マリアは37歳。グラフィックデザイナーだ。ニールは小規模なレストランのオーナーをしている。ふたりは5年間もの間、妊娠のために取り組んできた。ビタミン摂取から始まって、排卵期を知るためにマリアの月経と体温の詳細な記録をつけるなど、あらゆることを試してきた。「これが2年半ぐらい続きました」とニール。「フラストレーションが募るばかりでした。毎月毎月、希望が高まっては、打ち砕かれて衝撃を受けるんです」「あんまりつらくて自尊心が根こそぎ崩れてしまいました」とマリア。「私たちは自分が赤ちゃんをもつにふさわしくないんだ、劣っているからなんだ、と感じ続けていました」

不妊であることによって、こうしたつらい気持ちをかかえているカップルが増えている。『Six Steps to Increased Fertility』の著者によれば、アメリカのカップルの20%が妊娠になんらかの難しさを抱えていると推定されている。この数は、おそらくじっさいよりも少ない数値だろう。不妊は精神的に疲弊するばかりではなく、経済面でも疲弊させられる。妊娠のために何十億ドルというお金が費やされる。1999年に『Health Facts』というニューズレターは、不妊治療は年間20億ドル売り上げる産業だと報告している。

不妊治療クリニックや精子バンクに答えを探し求めるのではなく、マリアやニールをはじめ多くのカップルは、むしろヨガマットの上に自分たちの探求の終わりを見出してきた。「ある日、私の従姉妹がヨガクラスに私たちを招待してくれました。ヨガで私たちがリラックスできるようにと言ってくれたんです」とマリア。「私たちはヨガが気に入りました。ストレスから解放されて、妊娠のことばかりでいっぱいだった頭も、健康であることそのものに意識を向け変えることができました」

彼らの子供の誕生は、「自分を変えたい」というときにヨガがいかに豊かな土壌となりうるかということの生きた証拠だ。皮肉なことに、ヨガのポーズは伝統的にはヨガ修行者の性的エネルギーを抑制するために使われてきた。人は性的エネルギーを変換することで、自己変革のためにもっとエネルギーを注ぐことができるはずだという考えが背景にあった。しかしながら現代ではプラグマティックな考え方をするカップルが、ストレスレベルを下げて、骨盤に集中的に集まっているエネルギーを解き放ち、流れに乗せ、骨盤内器官を広げて柔軟にすることで、妊娠の可能性を高めるためにヨガプラクティスを活用している。

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Text by JUDITH HANSON LASATER
Translated by Miyuki Hosoya



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