梨状筋をストレッチして腰痛を予防する3つのヨガポーズ

 梨状筋をストレッチして腰痛を予防する3つのヨガポーズ
photo by Lisa Wiseman

梨状筋はあまり耳慣れない筋肉だが、動きの基盤となる骨盤や仙骨に安定感と軽やかさをもたらす、非常に大切な筋肉だ。そして、硬い梨状筋は腰痛や坐骨神経痛の原因にもなる。ここで紹介する3つのポーズで、健やかな梨状筋を手に入れよう。

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梨状筋とは何か:梨状筋の位置と働き

クラスでは生徒たちの多くが木のポーズでぐらぐらしている。しかし、その隅で一本の木だけが堂々と立っていた。その生徒の木のポーズも他の生徒たちのように多少は揺らぐものの、その体幹の安定性には単なる集中力以上の並外れたものがあった。彼女はポーズに安定と軽やかさをもたらすカギをつかんでいたのだ。そのカギとは、仙骨には安定を、チャレンジングなポーズでは軽やかさと広がりをもたらすのに大きな役割を果たす――聞き慣れない、過小評価されがちな――小さな筋肉、梨状筋だ。
梨状筋は、主として外旋筋であり、股関節において脚を外旋する小さな深層筋の一つだ。坐骨神経痛の原因としても悪名高い。梨状筋が硬くなると坐骨神経を圧迫し、臀部から足に向かって走る神経のあらゆる箇所で焼け付くような痛みを引き起こす。また、鳩のポーズなどで股関節のストレッチをする際に鋭い痛みを感じたり、股関節や仙骨のあたりがこわばって前屈が容易でなくなったりする。梨状筋の動きが制限されれば、腰の痛みと緊張につながり、さらには日常の動作やウッターナーサナ(立位前屈)のような姿勢でも支障をきたすようになる。
これらの理由から、梨状筋は、本来の機能を果たすよりも痛みを引き起こすほうが多い単なるトラブルメーカーとみられがちだ。しかし、この筋肉は重要な目的を果たしている。最も基本的な役割は、骨盤の背面と背骨をつなぐ三角形の骨、仙骨を安定させることだ。そんな偉業をどう成し遂げているかを理解するには、梨状筋を視覚化するとわかりやすい。梨状筋は、寛骨臼の後ろの左右に位置し、それぞれの大腿骨上部の外側から仙骨へと走っている。

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

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Text by DOUG KELLER
photos by Lisa Wiseman
model by Deborah Burkman
translation by Sachiko Matsunami
yoga Journal日本版Vol.26掲載



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梨状筋
立位前屈
木のポーズ
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