ステイホームで認知症が増加?認知症治療のスペシャリストが教える、認知症ケアのポイントとは

 ステイホームで認知症が増加?認知症治療のスペシャリストが教える、認知症ケアのポイントとは
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Moe Takahashi
Moe Takahashi
2022-10-05

新型コロナ禍も3年目に突入し、生活様式の変化にも慣れつつある今日このごろ。感染拡大の影響のひとつとして、認知症患者が増加、重症化していることをご存知でしたか?

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認知症悪化の原因となる“3つの「ない」”

コロナ禍に突入してから、濃厚接触者の自宅待機などによる介護施設の人員不足や、“三密”の回避のための面会制限など、認知症患者とその家族をとりまく環境は大きく変わりました。

認知症患者が認知機能を保つために、人と会ったり、話したり、体を動かしたりすることは、とても重要なこと。

しかし、コロナ前と比べ、介護施設での面会禁止や面会時間の短縮、介護施設でのイベントの縮小などにより、認知症悪化の原因となる「会わない」「話さない」「動かない」、“3つの「ない」”状態になっているのが現状です。

介護施設の人員不足によりトラブル増加という声も

コロナ禍の環境は、認知症の悪化以外にも、さまざまな場面に影響しています。

人員不足のためデイサービスが受けられなくなり、家族が自宅で介護をする時間が増えたことにより、介護者の負担が増えたという相談が増えているとのことです。
また、コロナ禍で相談窓口が減ったことにより、認知症は発症の発見が遅れるケースも少なくありません。

介護施設の人手が足りないために、介添えが必要な方が一人でトイレに行こうとして骨折してしまった、という事例もあります。

認知症は予防が大切!40代から始めるのがベスト

一般的に、認知症の発症は70〜80歳と思われていますが、実は40代からすでに始まっていることをご存知でしたか?

というのも、認知症は突然発症する病気ではなく、20〜30年という長い年月をかけて、積み重なって発症するもの。

認知症の中で一番多いアルツハイマー型認知症は、アミロイドβといいう“脳のゴミ”が溜まる病気ですが、40代くらいから時間をかけて、溜まっていくことがわかっています。

認知症の予防には、食生活や運動習慣の改善を40代から始めることが重要なのです!

脳の老化には食事が影響!脳の神経細胞を増やす食材は…

認知症予防の鍵となるのが、運動や食事などの生活習慣。

脳の神経細胞の減少スピードには個人差がありますが、その違いには、特に食事の影響が大きいとされています。

脳を健康に保つ食材として注目したいのが、キノコ類。

特に、「タモギダケ」という北海道や東北などに自生する黄色いキノコは、脳の神経細胞を増やす働きがある成分、エルゴチオネインを豊富に含んでいます。他のきのこに比べ、エルゴチオネインを10倍以上多く含むのです。

タモギダケ
タモギダケ
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「タモギダケ」に含まれるエルゴチオネインの特徴

・脳に直接働きかけ、認知機能の改善に役立つ

・脳の記憶学習に関わる“海馬”に働き、情報伝達経路を活性

・強力なアンチエイジング(抗酸化)効果

・うつ状態を改善 する効果を確認
・体内で吸収されやすい

・体内で合成されないため、食事から摂る必要がある

これまで、脳の神経細胞は20歳をピークに減り続けるといわれていました。しかし、マウスによる実験では、神経幹細胞にエルゴチオネインを添加したところ、神経細胞の分化を促進することがわかったのです!

臨床試験でも報告されたタモギダケの驚きの効果

2020年に認知症患者を対象におこなわれた臨床試験では、エルゴチオネインを12週間、1日5mg摂取したグループは、言語記憶能力や単純注意力が変化しました。

特に、言語記憶力の項目においては大幅な変化があり、エルゴチオネインが認知機能の改善に役立つ可能性を示しています。

認知症

サプリメントを利用するのも手!今日から始める認知症対策

うまみ成分が豊富であることでも有名で、毎日の食卓に並べたい「タモギダケ」ですが、一部のスーパーやネットでしか手に入らず、入手困難なのが現実。

なかなか手に入らないという場合は、エルゴチオネイン入りのたまごやサプリメントを 利用してもいいでしょう。サプリメントを選ぶ場合は、信頼性のあるメーカーのものを選ぶことが大切です。

教えてくれたのは…白澤卓二(しらさわ たくじ)先生
医学博士、白澤抗加齢医学研究所所長、お茶の水健康長寿クリニック院長。 千葉大学医学部卒業後、東京都老人総合研究所、同神経生理部門室長、分子老化研究グループリーダ ー、老化ゲノムバイオマーカー研究チームリーダーを経て 2007 年より 2015 年まで 順天堂大学大学院医学研究科加齢制御医学講座教授。専門は寿命制御遺伝 子の分子遺伝学、アルツハイマー病の分子生物学、アスリートの遺伝子研究。

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Moe Takahashi

Moe Takahashi

ライター/PR/ダンス講師・振付師/ピラティスインストラクター。湘南暮らしとパラレルキャリアを楽しむフリーランス。3歳からバレエを始め、2014年に渡米しNYにてダンサーとして活動。リハーサル中の怪我をきっかけにGYROKINESIS®、Polestar Pilatesに出会い、指導資格を取得。その後、フィットネス企業のマーケティング・広報担当を経験し、現在に至る。趣味はキャンプと美味しいクッキー探し。



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