女性特有のむくみ予防&改善に緑豆春雨の葛にゅうめん|せきねめぐみの、肩の力を抜くごはん

 女性特有のむくみ予防&改善に緑豆春雨の葛にゅうめん|せきねめぐみの、肩の力を抜くごはん
Megumi Sekine
関根愛 
関根愛
2022-04-23

SNSで見かける、彩り豊かな食事の写真。見るからに栄養がありそうで、こんな食生活を送ってみたいと思う人は多いでしょう。でも「そんなに頑張れない…」という人も少なくないはずです。時間もない、料理が得意じゃない、不器用なあなたに伝えたい「頑張らないごはん」。意識すべきポイントは、とってもシンプルです。今日からできる「簡単な食養生」、教えてくれるのはマクロビオティックマイスターの関根愛さんです。

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みなさま、おはようございます。二十四節気は「穀雨(こくう)」を迎えました。その中でも今は七十二候の「葭始生(あしはじめてしょうず)」。山や野がいっせいに緑色に染まりはじめる頃ですね。我が自宅からほど近い森林公園も、冬のあいだは閑散として寂しかった景色が、つい先日訪れると萌えるような緑一色。命の芽吹きで見ちがえるほどにぎやかです。緑といってもさまざまなグラデーションがありますね。色の森の懐に抱かれるとふしぎといつもより深く呼吸ができ、豊かな気持ちになります。道端では近くの竹林で取れたばかりという竹の子が売られていたり、紫色の花を鈴のように上品に風に揺らせ咲く藤がみごとあでやかだったり。あちこちから聴こえてくる鳥たちの声も鮮やかで、春は五感にはちきれんばかりの喜びをもたらしてくれるのだなあと感じるこの頃です。

さて穀雨といえば、穀物を実らせる春の雨のことをさします。この時期に種まきを行うとすくすく成長するための雨に恵まれるということで、百穀春雨という言葉もあるのだそう。穀雨以降雨の降る日が増えますが、実りのための大切な雨だと思って塞ぎ込まずに過ごしたいものです。

本日ご紹介したい食養生メニューはこの時期にちなみ春雨を使ったもの。春雨はもともと中国から伝来し、鎌倉時代の精進料理に登場していたとされています。ただ春雨という名前になったのは比較的近年のことのようで、もとは唐麺などと呼ばれていたのだとか。最近になり春雨の透明で細い形状が春に降るしとやかな雨を思わせることから、春雨の名が定着したそうです。食材の名前に季節のようすを反映させるなんて、ちょっと粋で美しいですね。

むくみの予防には緑豆春雨を

中国の春雨はもやしの原料である緑豆でできたものが多いですが、日本ではもちもち食感が人気のじゃがいもやさつまいもなど芋のでんぷんを利用した春雨が主流という違いがあります。ダイエット効果や疲労回復などが望めるとされ人気のある春雨ですが、私がおすすめしたいのはむくみの予防・改善の観点から緑豆の春雨です。体質上、筋肉量の少ない女性に起こりやすいのがむくみ。私自身も重度のむくみに悩まされていた時期がありました。緑豆はすぐれた利尿作用があることで知られています。体内に溜まった余分な水分を外に排出するちからがつよいのです。むくみがひどい時の食事にも良いですし、普段から食べることでむくみの予防に繋げることも期待できます。また中国で昔から漢方や薬膳の原料としても使われてきた緑豆は陰性の食材。つまり体の熱を外に逃がす力ももっています。これから暑い日がどんどん増えていきますので、そんなときにむくみを解消しながら体にこもりがちな熱を発散してくれる食べ物として覚えておいても良いでしょう。

さいごに緑豆春雨の簡単レシピ「緑豆春雨の葛にゅうめん」をシェアしたいと思います。冷蔵庫にあるお野菜、なんでもよいので細く刻みます。あとで春雨と一緒に味が絡みやすくするため細めに切ると良いでしょう。人参やごぼうなどの根菜類、しいたけやえのきなどのきのこ類は味が出るのでおすすめですが、なければないでわざわざ買う必要はありません。あるものを使います。まず刻んだ野菜をごま油でかるく炒めておきますが、油が苦手な方は少々の水でソテーするだけで構いません。そこへだし汁少々を注ぎ、お醤油、塩、酢で適宜味をととのえます。お酢が素敵なアクセントになるのでお忘れなく!そして湯戻しした春雨を加え、さいごに水溶き葛粉を少々回し入れたら完成。春とはいえ穀雨の雨降りの夜はまだ冷えますので、体を温める効能のある陽性の葛を使うことで陰性食材の春雨とのバランスをうまくとります。出来たては葛のおかげで熱々ですのでお気をつけて。ほんのりとろみがかった葛あんのおかげで飛びはねがちな春雨も食べやすくなります。ちゅるちゅるっとのどごしもよく、薄味の和食でおなかにほっこり優しい。食べすすめるほどにどんどんぽかぽか温まります。しっかり食べたらお風呂につかって、パソコンやスマホを切り上げてなるべく早く布団に入り、睡眠をいつもより大切に。翌朝はむくみ知らずのスッキリした体でまた玄関のドアを開け一日を始めていきましょう。

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AUTHOR

関根愛 

関根愛

俳優を始めた十数年前よりアトピーなどさまざまな心身の不調を感じてきたことで、薬に頼るのをやめて自分の体の声を聴きながら養生していくために自然食を始める。「じぶんらしく生きるための食養生」をテーマにInstagramやnote、Youtubeで日々発信をつづける。マクロビオティックマイスター。映画制作者、ライター、翻訳者としても活動。座右の銘は「山動く」。



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