性の話は恥ずかしいこと?マンネリ・思い込み・自分本位「性生活のすれ違い」を解消する話し合いヒント

 性の話は恥ずかしいこと?マンネリ・思い込み・自分本位「性生活のすれ違い」を解消する話し合いヒント
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不満があってもなんとなく我慢しがちなパートナー間の性やセックスの悩み。前編に引き続き、ラブライフカウンセラー®として発信発動やセックスカウンセリングを行うぽかべさんに、性やセックスに関するコミュニケーションについて伺いました。

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“お決まりセックス”から始まってもカスタマイズしていく

——話し合いは大切ですが、一方で「こうしておけば間違いではなさそう」といった「セックスの様式」のようなものもありますが、どう思いますか。

「セックスでは、こうするべきだ」という考えを完全になくすのは難しいと思います。例えば、「男性がリードするものだ」「女性が積極的になるのは恥ずかしい」などのイメージです。対人関係や普段目にするコンテンツのなかで、ジェンダー役割を意識させられる機会が依然として多いですし、男らしさ・女らしさのイメージが刷り込まれるのを完全には避けられないですよね。

ただ、スタートが“お決まりセックス”だったとしても、やはり細かいことをあげたら必ず一つは何かしら「やめてほしいこと」「してほしいこと」は出てくると思うので、だんだんと二人の心地いい状態にカスタマイズしていってほしいですね。「こうしたい」「これはやめてほしい」というのを随時伝えあっていけば、だんだんと二人だけのセックスができると思います。

もちろん“お決まりセックス”がダメというわけではなく、そこまで作り込まなくても満足しているカップルもいらっしゃいます。あくまで二人の問題ですので、二人の心が満たされているならばいいと思います。

両想い
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コンテンツではなくパートナーとの話し合いに答えが

——よく「男性向けに作られているアダルトコンテンツは、女性にとって痛いことが多いから参考にしないように」と言われますが、男性向けアダルトコンテンツについては何か思うことはありますか。

そもそも確固たる「男性向けコンテンツ」というジャンルがあるとは思っていません。私自身は男性向けの「女性が男性を攻める」作品を見ていて、丁寧にコミュニケーションをとっているものもあると感じましたし、言葉の遣い方など参考になる部分があると思いました。でもあくまでファンタジーだと理解したうえで、「ここは相手次第で試してみようかな」と取捨選択するという意味であって、“教科書”にすべき対象ではない、という意見をもっています。

「セックスのイメージを掴みたい」と相談されたときには、女性向けに優しめのプレイ内容で作られたアダルトコンテンツを勧めることもあります。関係性が築かれるなかで、もっと色々試したい!と意欲が湧いてきたときにアダルトコンテンツを参考にするカップルもいらっしゃいます。

本来はここまで「ファンタジーだからね!」と強調する必要はないのかもしれません。例えば冒険物の漫画を見て、それをリアルな世界だと受け止める人は少数派だと思うのですが、しかし、セックスという行為への情報が閉じられているからなのか、コンテンツをそのまま鵜呑みにして参考にしてしまう方も少なくないと感じています。

男性向けコンテンツでよく見られるものの、現実ではやめたほうがよい行為として、女性器に指を激しく出し入れする“ガシマン”があげられますが、これは痛い人が多いので「やめておいたほうがいい」という前提は持っておきましょう。

ただ、絶対に悪い行為とは言い切れないと考えています。アダルトコンテンツで描かれるほど激しくなくても、強めにされるほうが好きな人もいると聞きますので、とにかく相手の好み次第です。

少し前まで「ガシマンで女性が喜ぶと思い込んでいる人が少なくない」という危機意識が大きくピックアップされていたので、「本当は痛い」という情報が広まる必要性があったと思います。一方で「絶対にダメだ」と言い切ってしまうと、実はそういう行為が好きな人の声が消されてしまう恐れも。ジャッジへのカウンターによって、新たに排除される人を生まないようには気を付けたいという思いでいます。

セックスでどうパートナーを喜ばせられるかはコンテンツのなかにではなく、パートナーのなかに正解があります。あれこれコンテンツを見て一人で考えるのではなく、パートナーとの話し合いを大切にしてほしいですね。

勘違い
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——“お決まりセックス”というと、射精や挿入にこだわる必要はあると思いますか。

結論は、こだわってもいいですし、こだわらなくてもいいと考えています。知人にも「ハグで充分」という人や、「途中で終わってもまったく気にしない」という人もいます。加齢とともに、身体の機能に依存しないふれあいの仕方に価値観がうつっていく人も少なくないです。例えば、若いカップルでも、結婚していて相手に恋愛感情はあるけれども、セックスはしないという人たちもいます。話し合った結果、こだわらなくてもいいと思ったならばこだわらなくていいと思います。

一方で、挿入はやはりセックスにおける大きな一つの要素であるとも捉えています。一体感をより深く感じられるプレイですし、特別感を覚える人が一定数いる行為であると言えるのではないでしょうか。

多くの人が口にしていないだけで、性に関する価値観は蓋を開けたら想像以上に色々なものがあると思います。今は「色々な価値観がある」ということが知られ始めている過渡期であるため、「射精や挿入にこだわる必要がない」と強調されがちですが、こだわることがダメなわけでもないともお伝えしたいです。ちなみに、私は挿入が好きなので、ゴリゴリにこだわっています(笑)

——ヨガはセックスの質を向上させるという研究結果(参考記事 https://yogajournal.jp/12521)がありますが、ぽかべさんはヨガに興味はありますか。

ヨガの経験があります。フリーランスになって最初にブロガーとして活動する際に、ヨガ教室の体験談を書いていたこともありました。

ヨガの「ありのままを受け入れる考え方」は素敵だと思いますし、セックスにおけるテクニック的な話においては、体の柔軟性、とくに股関節の柔軟性はとても大事で、色々な体位を試す際に必要になってきます。私はセックスにおいて、気持ち良さの前に苦痛を感じないことが重要だと考えているのですが、柔軟性があることで、痛みや苦しさを感じにくいんですよね。

瞑想
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無理してオープンになる必要はないけれど、伝える勇気も

——ぽかべさんはオープンに発信をされていますが、恥ずかしいと思ったことはないのでしょうか。

実は恥ずかしいと感じたことはほぼないと言えるくらいで、あるとき何かをきっかけにオープンになったというよりは、ずっとこのスタンスです。

ただ、これは私の感覚ですので、「恥ずかしい」と思うことは全然おかしいことではありません。たとえば「裸になるのは恥ずかしくなくても、手を見られるのが恥ずかしい」という価値観の人もいますし、何を恥ずかしいと感じるかは一人ひとり異なります。「性の話をするのが恥ずかしい」と思うのであれば、無理してオープンになる必要はないでしょう。

一方で、自分の心と体を守るために最低限伝えないといけないことはあります。「痛い」とか「やめて」とか「今はしたくない」とか。伝えないと自分を守れないことはあるので、そこは勇気を出して伝えてほしいと思います。

*インタビュー前編:「セックスで本音を言いづらい…」パートナーとの話し合いのコツは?【ラブライフカウンセラーが解説】

【プロフィール】ぽかべ

ぽかべさんより
ぽかべさんより提供

「日本のQOS(Quality of Sex)の底上げ」を理念に、セックスカウンセリングや発信活動を行う認定ラブライフカウンセラー®︎。自身がもともと依存体質、束縛で苦しい恋愛をしていたが、コミュニケーションやセックスを学び、幸福な恋愛と性生活を実現した経緯がある。運営する個人ブログは月間14万PV、年間100個以上ラブグッズを試す研究家でもある。ほかにも講演、メディアでの執筆など幅広く活動している。

●公式サイト
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雪代すみれ

雪代すみれ

フリーライター。企画・取材・執筆をしています。関心のあるジャンルは、ジェンダー/フェミニズム/女性のキャリアなど。趣味はヘルシオホットクックでの自炊。



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