ヨガ的メンタルヘルスガイド【コロナ禍で「健やかな心」を保つためのヒント】

 ヨガ的メンタルヘルスガイド【コロナ禍で「健やかな心」を保つためのヒント】
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落ち着きを失わないために

心のバランスを保つために、専門家が勧める不安を和らげる習慣を参考にしよう。

1.座ったままでいない
不安感が強いときに黙想やシャヴァーサナ(亡骸のポーズ)を長く続けると、かえって動揺することがある。「私のまわりの人の多くは、たとえ5分でも瞑想クッションに座ると緊張してしまいます」とE-RYT500ヨガ指導者で臨床精神衛生カウンセラーのリン・ビーゼッカーは言う。代わりに、穏やかなヨガフローで体を動かしたりストレッチをしてみよう。 

2.1つのことに集中する
「私たちの社会は最大化やマルチタスクを好む傾向にある」と、ビーゼッカーは言う。だがそれでは刺激が強すぎて不安に陥りやすい。代わりに、一度に1つのタスクに集中しよう。「犬の散歩に行くなら、ただ犬を散歩させればいいのです。歩きながらポッドキャストを聴いたり、ほかのことをする必要はありません」と彼女は説明する。

3.姿勢に気をつける
精神的な問題が原因で姿勢が悪くなるのか、それとも姿勢の悪さが精神衛生に影響するのか、専門家にもよくわかっていない。いずれにしても、シャラバーサナ(バッタのポーズ)、ウシュトラーサナ(ラクダのポーズ)、ゴムカーサナ(牛の顔のポーズ)などのポーズは首の緊張を和らげ、肩を開き、背中を鍛えるのに役立つ。

4.睡眠をとる
睡眠不足は不安を悪化させることが複数の研究でわかっている。また、夜寝ていないと朝寝坊しやすくなり、さらに気持ちがふさぎやすくなる。7~8時間眠れる時間に就寝するようにし、慌ただしい朝を過ごさないように早起きをしよう。

ストレスを解消する

「さあ、呼吸をして」
不安や興奮を感じている人がいたら、私たちはまずこのように声をかける。これは本能的な行為であるだけでなく、科学的な裏付けがある。
スタンフォード大学の神経生物学者であるアンドリュー・ヒューバーマン博士は「生理的ため息」と呼ばれる、心を落ち着かせる呼吸法を提案している。やり方は、まず鼻から息を吸い、さらに少し息を吸う。その後、口から長く息を吐きだす。これを3回繰り返す。
博士の研究によると、この呼吸法をわずか40秒行うだけで心拍のペースが遅くなるという。
この習慣は生まれつき備わっているようだとヒューバーマン博士は述べている。自己鎮静行動として、私たちは普段から睡眠中や一日のなかで無意識に行っている。これはストレスによって肺や血液中の酸素と二酸化炭素のバランスが崩れたときに体が自ずと行う対処法なのだ。

不安への対処 

不安の基準は人それぞれだ。自分は気にならなくても、ほかの人にとってはトラウマになる場合がある。とはいえ、これらの対処法はよくある不安の解決に役立つだろう。

不安の例:
「パートナーが私に暴言を吐くようになった。毎日びくびくしながら過ごしている」
対処法:

「危険を感じたときに、とっさに逃げたり、身を守るのは当然の反応です」とジョネット・ウォルサーは述べている。優先すべきことは、身の安全を確保すること。心的外傷後ストレス障害の症状がある場合は、マインドフルと洞察の実践に加えて、カウンセリングを受けよう。トラウマを抱えている人にとっては必ずしも黙想が最善とはかぎらず、アーサナや動きのある瞑想のほうがいい場合もある。

不安の例:
「有色人種なので、特定の地域や店に行くのが怖い。最近は教会でも安心できない」
対処法:

「その恐れや不安は、有色人種であるが故に何か悪いことが起こるかもしれない、という知識に根ざしています」とウォルサーは説明する。多様な文化に理解のあるカウンセラーに相談すれば、不安が和らぐかもしれない。「そんなことは起こらないと頭ごなしに言う人や、そんなふうに感じるべきではないとあなたを否定する人は避けてください」と彼女は言う。さらにサポートが必要な場合は、有色人種のためのヨガや瞑想のグループを探してみよう。

不安の例:
「私は健康で安全で、すべて順調です。でもなぜか不安で目が覚めることがあります」
対処法:

自覚していなくても、不安になるのには必ず理由がある。カウンセラーのもとで、認知再構成法を試そう。「つまり、無意識に繰り返されるネガティブな思考に気づくための手助けです」とダイアン・マラスピーナ博士は言う。不安な考えを日記に書きだしたら、意識的にポジティブな考えや中庸な考えと置き換えてみよう。それによって無意識下の心配事を根こそぎ取り除き、ほかのことに集中できるように脳を鍛え直すことができる。
 —タマラ・Y・ジェフリーズ

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photos by WACOMKA/SHUTTERSTOCK, SUPAKRITPUMPY/ISTOCK, VECTORV/ SHUTTERSTOCK,
illustration by SIMON2579/ISTOCK
food styling by Nancy Zamparelli
translation by Sachiko Matsunami
yoga Journal日本版Vol.76掲載

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ヨガジャーナル日本版編集部

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