朝起きられない人に!体内時計をリセットする「朝と夜のアーユルヴェーダ」

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朝起きられない人に!体内時計をリセットする「朝と夜のアーユルヴェーダ」

毎朝起きるのがつらい人は、体内時計をリセットする必要がありそうだ。アーユルヴェーダの知恵を借りて、朝のストレスから解放されよう。

アーユルヴェーダのプラクティスで体内時計を調整しよう

朝起きるのに苦戦し、日中は睡魔に襲われる。夜になっても気が休まらずうまく寝つけない。そんな症状があるなら、体内時計を一旦リセットする必要があるかもしれない。5000歳になるヨガの姉妹科学であるアーユルヴェーダでは、自然界のサイクルにリズムをあわせて暮らすことが、健やかに、そして清々しい気分で一日を過ごすための鍵になると考える。それは文字通り、またエネルギーレベルにおいても、太陽とともに寝起きすることを意味する。体内時計を自然のサイクルに近づけるためにアーユルヴェーダの伝統が推奨するのは、朝と夜に行う一連のプラクティスで、総合的に「ディナーチャーリヤ」と呼ばれている。瞑想やヨガはもちろん、日中のアクティビティすべてに集中力と落ち着きをもたらしてくれる習慣だ。「ディナーチャーリヤを行うとき、自分自身を大切にケアしていることが実感できます」と話すのはコネティカット州ニューヘブン在住のアーユルヴェーダ実践者で、ヒマラヤンインスティテュートのアーユルヴェーディックヨガスペシャリスト養成プログラムの創設者、キャサリン・テンプルトンだ。「指導、子育て、プラクティスなどすべての時間に安定感が生まれ、取り組みやすくなりました。また、心のゆとりも感じられるようになったのです」体内時計を調整するために、日頃の生活習慣を次のページから紹介するシンプルなアーユルヴェーダのプラクティスに置き換えてみよう。朝のプラクティスは、身を清め活力をもたらすもので、落ち着いた気づきの感覚で満たしてくれる。夜のプラクティスはくつろぎをもたらし、心休まる睡眠へと誘ってくれるだろう。ヨガで体を動かすことや瞑想もディナーチャーリヤに不可欠だ。朝食前のヨガ、朝夕の瞑想を組み合わせて行うようにしよう。まず手始めに、ひとつかふたつのプラクティスからはじめて、1週間が経過したら気分や体調について記録するようにしよう。そして新たなプラクティスを追加して観察を続けるのだ。いつのまにか、歯磨きのように日常的な習慣になっているだろう。

朝すべきこと5つ

1.日の出前に起きる

アーユルヴェーダでは、夜明け前の時間帯はヴァータのドーシャが優勢になるとされ、その繊細なエネルギーですっきりと目覚めることができる。日の出前に起きることで、その日一日が活力で満たされるのだ。一方、日が昇った後に起床すると、カパの重く根づこうとするエネルギーが優勢となり、どんよりとした気分になりやすい。また、夜明け前は一日の中でも縁起がよい時間帯とされ、その静かで穏やかな空気は内側へと意識を向けやすく瞑想に適していると、テンプルトンは言う。

2.鼻を洗い流す

寝ている間に溜まる細菌、花粉、埃、鼻水を洗い流すために、急須のような形をしたネティポットを使って、温めた生理食塩水で鼻腔をすすぐ洗浄テクニック「ジャラネティ」を試してみよう。ジャラネティは、朝の呼吸法や瞑想の準備としてもぴったりだ。左右の鼻腔の呼吸の流れを均等にするため、イダ・ピンガラナディ(内面の探求へと導く2本のエネルギーの通り道)のバランスを整えてくれるとヨガの伝統では考えられている。カップ1杯のぬるま湯(減菌水または蒸留水)をネティポットに注ぐ。小さじ1/4杯の塩(コーシャソルトなどヨウ素無添加の塩や海塩)を加えて溶けるまでかき混ぜる。注ぎ口を左鼻孔に差し込み、シンクに身を乗り出し、頭を右側へ少し傾けてぬるま湯が鼻腔を通って右鼻孔から出るようにする。軽くはなをかんで、反対側も同様に行う。終わったら仰向けになり、頭を後ろに傾け、温めた胡麻油またはギー(精製バター)を鼻孔に3、4滴垂らす。

3.舌を洗浄する

アーユルヴェーダでは、寝ている間に舌につく苔を擦り落とす「タンスクレーピング」というプラクティスを推奨しているが、それは舌苔に含まれるアーマ(毒素)が病気を引き起こす原因になると考えられているからだ。タンスクレーパーを手に持って舌の奥から先へと撫でるように動かす。そして、タンスクレーパーをその都度洗い、何度か繰り返し行おう。タンスクレーピングは歯磨きの前に行うので消化機能が刺激され、体はその日の最初の食事について考え始めるだろう。

4.レモン汁入りのお湯を飲む

歯磨きや食事、コーヒーを飲む前には、カップ1杯のお湯にレモン半個分の果汁を搾って(好みで岩塩をひとつまみと蜂蜜を大さじ1/2杯加えて)飲むようにしよう。カリフォルニア州、カールスバッド在住でChopra Center forWellbeingの統合医療ディレクターを務めるバレンシア・ポーター医学博士によると、この1杯は、腎臓と消化管を洗い流し、アグニ(消化の火)を刺激するため、朝食を代謝するための準備を整えてくれるという。

5.オイルマッサージをする

アーユルヴェーダでは、温かい純粋なオイルを使ったボディマッサージは、デトックス作用を高め、肌を保湿してくれるので、空気が乾燥する秋から冬の季節には特に効果的だと考えられている。さらに、血液循環を促進し、神経系を落ち着かせてくれる効果も期待できる。伝統的に朝の時間に行われるアビヤンガを10分間のセルフケアで楽しもう。ポーターがすすめるやり方はこうだ。バスルームに温めておいたオーガニックの冷搾胡麻油を用意してタオルを敷いて立つ。円を描くように頭皮からマッサージして、次に顔、首へと続ける。必要に応じて手のひらにオイルを馴染ませて、片側の肩、腕、手首、手、腕は上下に長く、関節は円を描くようにマッサージする。反対側も同様に行う。胸と背中をマッサージしたら、下腹部をやさしく時計まわりにマッサージする。お尻は円を描くようにマッサージし、脚は片脚ずつ、脚の骨に沿うように長くマッサージし、関節まわりは円を描くようにマッサージする。時間があればそのまま10分から20分間くつろぎ、オイルを馴染ませる。シャワーで洗い流すときは、転倒しないように濡らしたタオルの上に立ち、やさしい洗浄力のボディソープを使うこと(頭皮や顔にオイルをつけたくない場合は、オイルを使わず乾いた指先でマッサージする)。

夜すべきこと5つ

1.照明を落とす

太陽が沈んだら部屋の照明を暗くして、その日一日の目のまわるような活動が間もなく終わり、オフモードに切り替える時間なのだと心と体に合図する。それは、ポーターのような現代のアーユルヴェーダ専門家によると、電子機器を見て過ごす時間をなるべく短くし、遅くとも就寝1時間前までにやめることでもある。気分が前向きになるような本を読んだり、家族や友人と過ごすなどしてゆったりとくつろごう。

2.香りで空間を満たす

外が暗くなってきたら、お香を焚くか、サンダルウッドやバニラのキャンドルに火を灯そう。桶にお湯を張り、エッセンシャルオイルを垂らすのもよい。アーユルヴェーダの観点では、これらの香りは気持ちを穏やかに落ち着かせ、グラウンディングさせる作用があるとポーターは言う。「それらの香りに一貫してリラックスという心の状態を関連づけることで脳は記憶します。精神生理学的にも、次に同じ香りを吸い込んだときにそのリラックスした状態が呼び覚まされるのです」。

3.フットマッサージで全身を癒す

「足にあるマルマポイントと呼ばれるアーユルヴェーダのツボは、全身に繋がっています」と言うのは、マサチューセッツ州のストックブリッジ在住でKripalu School ofAyurvedaの学長、ヒラリー・ガルバルティスだ。「ほんの数分間のフットマッサージで、全身をリラックスさせることができます」まず、足を洗って水分を拭き取る。そして、温めておいたオーガニックの冷搾胡麻油を手にとり、片足ずつ足の裏をかかとから指先へ小さな円を描くようにマッサージする。足の甲も同じように行い、くるぶしをマッサージしたら足の側面も行おう。足指に手の指を絡ませて、足をやさしく押して足首を曲げ伸ばし、次に時計まわり、反時計まわりにまわす。さらに、小指から順に指をマッサージし、付け根に軽く圧を加える。最後に軽く指をひっぱるように刺激して、就寝用の綿素材のソックスをはいて、ベッドへ。

4.就寝前にはスパイス入りの温かい牛乳を

カップ1杯の有機全乳を沸騰するまで温める。挽いたカルダモンとナツメグ(アーユルヴェーダで誘眠に効果的とされるスパイス)をひとつまみ加え、シナモン(消化を助ける)を入れる。適温に冷ましてから、蜂蜜を加えて味を調える。全乳はアーユルヴェーダでは不眠治療に用いられる。牛乳を飲まない人は、カモミール、ヴァレリアン、レモンバームのハーブティーで代替を。

5.呼吸法で心を落ち着ける

睡眠前の心を鎮めるために、あるいは夜の瞑想の準備として、数分間のナディ・ショーダナ(片鼻交互呼吸法)を取り入れよう。洗浄作用のあるこの呼吸法は、神経系を落ち着かせ、より繊細なレベルにおいてスシュムナ・ナディ(マインドを鎮め、落ち着かせるエネルギーの通り道)を開き、整えるものでもある。右の親指を右の鼻孔に置き、空気が漏れないようにする。左の鼻孔から息を吸い、薬指で左の鼻孔を閉じる。親指を持ち上げ右の鼻孔から息を吐く。右の鼻孔から息を吸ったらもう一度、親指で右の鼻孔を閉じ、左の鼻孔から息を吐く。ここまでを1セットとし、5~10セット繰り返し行う。ポーターは、「体とマインドをリラックスさせるこのプラクティスは、活動から静寂への移行をスムーズにしてくれる」と言う。

Photos by Trinette Reed & Chris Gramly
Translated by Kanako Izawa
yoga Journal日本版Vol.33掲載

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